タクシードライバーに必要な資格は、「二種免許」という免許のみ。転職前から持っている必要はなく、タクシー会社に入社してから取ることができます。
ただ、二種免許がどんな免許なのか、知らないことは多いもの。そこでここでは、タクシードライバーにとって必須の資格である「二種免許」について解説します。基礎知識として、知っておきましょう。
>>タクシードライバーへの転職なら!タクシー専門の転職サイト「転職道.com」
タクシードライバーになるには、「普通第二種免許」が必要
タクシードライバーとして働くために必要な資格は、「普通第二種免許」という免許。二種免許は「お客さまを送迎するために車を運転するときに、必要な免許」です。
普通自動車免許は「第一種免許」と呼ばれる免許で、お客さまを乗せて走ることはできません。また、二種免許は「普通」「中型」「大型」の3種類があり、タクシードライバーに必要なのは普通第二種免許です。
タクシードライバーになる場合、まずは面接を受けてタクシー会社に入社します。そして入社後すぐに、二種免許を取ることになります。
MTとAT限定があるが、最近はAT限定が多い
普通第二種免許は第一種免許と同じように、「MT(ミッション)」と「AT(オートマ)限定」の2種類があります。ただ、最近は多くのタクシードライバーが、AT限定を取得しています。その理由は、次の2つ。
【AT限定で二種免許を取ることが多い理由】
- AT限定のほうが、取得費用が安いため。
- 最近はほとんどのタクシー車両が、オートマのため。
下でも説明しますが、二種免許の取得費用は多くの場合、タクシー会社が負担してくれます。AT限定のほうが費用が安く済むため、タクシー会社からAT限定で二種免許を取るように指示されます。
また、以前はミッションのほうが燃費が良いとされていましたが、最近はミッションもオートマも性能が変わりません。今はほとんどの車がオートマで、タクシーもオートマが主流になっています。
以上2つの理由から、タクシー会社に入社するとAT限定の二種免許を取るのが一般的です。
二種免許は「21歳以上、第一種免許を取得して3年以上」が条件
二種免許を取るには、「21歳以上、普通免許を取得して3年以上」という条件があります。
ほとんどの人が大丈夫だと思いますが、たとえば普通免許(第一種免許)を持っていない場合や、大学生で免許を取ってから3年が経っていない場合、二種免許を取れません。
二種免許を取ると、お客さまを乗せて車を運転することができます。つまりある程度、車の運転に慣れている必要があるため、普通免許を取ってから3年以上経ってから取れるようになっています。
二種免許を取る方法は2種類。自動車学校の合宿で取ることが多い
二種免許を取る方法は、実は2種類あります。
【二種免許を取る方法】
- 運転試験場で受けられる「技能試験」を受けて、合格する(一発試験という)。
- 二種免許を取れる自動車学校に通い、試験を受けて合格する(こちらが一般的)。
1の一発試験の場合、実際に運転する技能試験を受けて合格すれば、それだけで免許を取得できます。ただ、これはかなり難しく、1回で受かる人はほとんどいません。そのため、2の自動車学校へ通うパターンが一般的です。
二種免許を取れる自動車学校は限られていて、公安委員会というところが指定の学校を決めています。タクシー会社に入社すると「この自動車学校に通ってください」と指示されるため、普通免許と同じように学科・技能の講習を受け、試験に合格すると二種免許を取得できます。
二種免許の取得費用は多くの場合、タクシー会社が負担してくれる
二種免許の取得費用は、20〜30万円ほど。ですがこれを自分で払う必要はない場合が多く、タクシー会社に負担してもらえます。
多くの会社でかかる費用を全額出してもらえますが、どういうルールになっているかは会社によって違います。求人をチェックするときや面接で、二種免許取得について聞いてみると確実です。
自動車学校で二種免許を取る流れ。難易度は普通で、10日〜2週間ほど
自動車学校に通って二種免許を取る場合、下のような流れで進みます。
【自動車学校で二種免許を取る流れ】
第1段階の講習を受ける。
(学科講習7時間・技能講習8時間)
↓
修了検定を受けて、仮免許を取得。
↓
第2段階の講習を受ける。
(学科講習12時間・技能講習13時間)
↓
学科試験・技能試験を受けて合格する。
↓
視力検査で片眼0.5以上・両目0.8以上・深視力2cm以下なら、二種免許取得!
タクシー会社は早く二種免許を取ってほしいため、入社後は自動車学校での勉強に集中します。合宿プランで通うことになるため、二種免許を取るまでにかかる期間は10日〜2週間ほど。
二種免許の学科試験・技能試験は、普通免許の試験より難しくなっています。学科試験は95問あって100点満点。合格点は90点以上なのでハードルが高めですが、自動車学校でポイントを教えてもらえます。
技能試験はV字やS字のコースや、縦列駐車・方向転換などが課されます。とりあえずの運転ではなく、きちんと正確に運転できる必要があるため、講習の内容をしっかり身につけておきましょう。
試験に合格すると視力検査がありますが、片眼0.5以上・両目0.8以上・深視力2cm以下でOKとなります。メガネやコンタクトレンズは着用できるため、自分に合うものをつけていればクリアできるはずです。
深視力は聞いたことがないかもしれませんが、建物の遠近感や立体感の視力のこと。検査では動く棒が3本あり、棒が並んだタイミングでボタンを押す、というもの。実際に検査を受けると分かるので、ひとまず「そんなものか」くらいで考えておけばOKです。
二種免許は3年ごとに更新。ゴールドになれば次の更新は5年後
二種免許も普通免許と同じく、更新が必要。更新のときには講習と視力検査があります。
二種免許を取ると、基本は3年ごとの更新。ただし5年間無事故・無違反でドライバーを続けた場合、更新のタイミングでゴールド免許になります。
ただ、ゴールド免許になることで会社の給料が大幅アップするかというと、微妙です・・。
タクシー会社によっては「無事故手当」があり、安全運転をしていると給料がアップすることもあります。ですがタクシードライバーは歩合制で、やはり「どれだけ売上を上げられるか?」が収入アップの基本。
ゴールド免許になるメリットは、「あまり更新しなくて良い」「会社によっては無事故手当が出る」というくらいでしょう。安全運転は前提として、「気付いたらゴールドになってた」という感じが良いと思います。
東京・大阪・神奈川では、二種免許の取得後に「地理試験」もある!
二種免許を取るとタクシードライバーとして働けるようになりますが、地域によっては実はもうひとつ試験があります。それは、地域の道路や交差点、ルートに関する「地理試験」というもの。
都市部の道はとても複雑で、何となく覚えているくらいでは仕事になりません。そのためドライバーとして勤務する前に、地理試験に合格する必要があるのです。
二種免許を取ると、次は地理試験のため講習を受けることになります。東京の場合は4日間あり、この内容を踏まえて問題が出題されます。
地理試験の問題は全部で45問あり、36問以上(80%)正解で合格。過去問も販売されているため、試験を受ける前にとにかく丸暗記して受けると良いです。
地理試験を受ける必要があるのは、下の地域。少し大変ですが、仕事には必要なので頑張りましょう。都市部のタクシードライバーは働くまでが大変ですが、その分稼げます。
【地理試験が行われる地域】
都道府県 | 市区 |
---|---|
東京都 | 23区・三鷹市・武蔵野市 |
大阪府 | 大阪市・堺市(美原区は除く)・池田市・和泉市・泉大津市・茨木市・門真市・吹田市・摂津市・高石市・高槻市・豊中市・東大阪市・守口市・箕面市・八尾市・三島郡・和泉北郡 |
神奈川県 | 横浜市・川崎市・横須賀市・三浦市 |
二種免許を取るには、まず転職するタクシー会社を決めよう
タクシードライバーにとって、二種免許は必須の資格。タクシー会社で取らせてもらえるので、まずは入社するタクシー会社を選ぶと良いです。ほとんどのタクシー会社は二種免許の費用を負担してくれるので、安心してタクシーの仕事を始められます。
なお、タクシードライバーの求人を探すなら、タクシー専門の求人サイト「転職道.com」がオススメ。転職道.comは未経験でも働ける大手のタクシー求人がたくさんあり、スタッフによる求人の提案や転職のアドバイスも受けられます。
タクシードライバーを始めるときには、何かとわからないこともあるもの。転職道.comを活用して、ぜひベストな職場を見つけてほしいと思います。全て無料なので、会員登録をして使ってみてくださいね。